発掘調査時の近隣への配慮

 所有地が埋蔵文化財包蔵地として登録されており、そこでの開発行為の為に、埋蔵文化財調査が必要との指導を受けて提出した発掘の届出が受理されたら、所有地における埋蔵文化財発掘調査が始まる前には様々な事前準備が必要になります。もちろん近隣への配慮も必要となるものですが、どのような配慮が必要になってくるのでしょうか。

事前告知活動

 埋蔵文化財発掘調査と一口にいっても、調査試掘から本格調査まで様々な段階があるものです。段階ごとに必要な人員や機材も違うため、ご近所で見知らぬ人間が歩いていたり騒音の問題を心配されたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。事前にご迷惑をおかけするかもしれないことや発掘にかかる期間などを告知しておくことは必須とも言えます。企業所有地で行われる発掘調査だった場合、会社Webサイトでお知らせするのも効果的です。

 

安全性の配慮

 埋蔵文化財発掘調査には機材や人員の運び込みが必要になるものですが、大小様々な車両が乗り入れたり人の往来が激しくなったりすることも十分考えられます。交通量が増える分だけ地域や道路の整備状況によっては、安全性の配慮が必要になってくる部分もあるのではないでしょうか?

 特に近隣に小中学校など子供が良く通る環境は注意が必要です。

ルールの明確化

 安全性など近隣への配慮をする上で、一定のルールやガイドラインがあると埋蔵文化財発掘調査の運営管理がしやすくなります。例えば、発掘調査の時間帯や立ち入り禁止区域を明示しておくことで、近隣住民の配慮と現状保存の効率化を見込めるようになります。なるべく費用を抑えてスピーディーな発掘をご検討中の施主様にとってもメリットが大きいです。

 なお、埋蔵文化財調査は、開発行為の前段として行われることが多いので、近隣に対して、その事業そのものの理解を得ておくことが肝要です。