もし、マイホームや会社の新社屋、商業施設としての利用を考えていた所有地から埋蔵文化財が出てきた場合には、発掘などの調査が必要になります。こちらでは迅速な対応の判断を見極めるポイントをご紹介します。
所有地内で施工を始める際に文化財が出てくるかも知れない可能性を知っていて進めるのと、知らないで進めるのでは対応の迅速さが違うものです。特に商業施設を建設する際は、土地の広さなども大規模になりやすいです。事前情報として近隣の埋蔵文化財包蔵地に関する情報は、施主様も押さえておきたい情報の1つではないでしょうか。市町村の埋蔵文化財担当部署に問い合わせれば、最新の埋蔵文化財包蔵地マップがもらえますので事前に入手しておくと安心です。
これまでに調査・発掘された埋蔵文化財包蔵地の中には、一般家屋や商業施設など民間工事を進めている段階で土器や人骨などが出てきて、その存在が判明したケースも多いです。施工途中で、明らかに人の手が入っていないと作ることが難しいものが見つかった場合、念のために市町村の埋蔵文化財担当部署へご相談や土地の来歴調査のご依頼をおすすめします。例えば、建築物・お墓の埋納施設跡や金属製品類といったものは要注意です。貝類の殻や動物の骨に混じって人骨がある場合は貝塚の可能性もあります。
埋蔵文化財は発掘調査などによって回収された後、県や市の教育委員会の手に委ねられます。数が多い・規模が大きなものである場合は、観光資源としての価値も認められる場合があるので近隣に歴史資料館が建てられることもあります。もし、近隣にそういった学術施設があるのならば、施工スケジュールに埋蔵文化財調査を初めから組み込んでおいても良いと思います。
個人や法人を問わず、所有地に建物や商業施設を建てるということは大きな投資方法の1つです。費用のことを考えると、施工スケジュールはスムーズに進めたいものではないでしょうか。所有地にて「もしかしたら埋蔵文化財なのでは…?」というポイントがありましたら、埋蔵文化財に関する知識持ったプロにご相談ください。