世界中で古い歴史を感じさせる様々な遺跡や文化財が発見されています。日本でも昔の人たちの生活の痕跡である遺跡が数多く存在します。未だに眠ったままで発見されていない遺跡もあると思いますので、土地開発や工事などの場合には一度、市町村の埋蔵文化財担当部署に遺跡の取扱いについて相談されることをおすすめします。
こちらでは、日本で発掘された3つの遺跡についてご紹介します。
吉野ヶ里遺跡は、佐賀県の神埼市に残存する国内最大規模の環濠集落を有する遺跡です。稲作文化や定住文化が根付いた弥生時代前期初頭から後期終末に営まれたもので、当時の人がどのように生活してきたのかなどの集団の発展と解体の歴史を解き明かす貴重な遺物や遺構が多数発見されています。とくに有名なのが壇丘墓とそこで発見された有柄銅剣やガラス製管玉です。この他、集落を構成する堅穴住居跡や貯蔵穴跡、集団墓や大型掘立柱建物跡、高床倉庫といった遺構と、多数の日常生活用の土器、石器、鉄製品といった置物が見つかっており、前期のうちに青銅器生産も開始されています。集団の構成員とそのリーダーに関わる、居住域と墓域、さらに、生産域までもが明らかになっている数少ない遺跡です。
縄文時代の前期から中期にかけて(約5900~4500年前)の円筒土器文化圏を代表する大規模集落として国の特別史跡に指定されているのが、青森市にある三内丸山遺跡です。国内最大級の集落跡で、竪穴住居跡や成人の墓、子供の墓、道路、大型掘立柱建物跡など様々な遺構が発見されております。また、膨大な量の土器や石器、日本最多の土偶、骨角器なども見つかっていて、その中でも板状土偶は印象的です。腕を広げた十字型の形状をした板のように平らな土偶で、女性を象ったものが多いことから、神聖な儀式の際に用いられたのではないかと言われています。
奈良県高市郡明日香村岡にある酒船石遺跡は、いくつかの石造物からなる遺跡です。
酒船石は、伝飛鳥板蓋宮跡の東方に位置する小高い丘稜にあり、飛鳥の謎の石造物として知られています。2000年の発掘で、この丘陵の北側の斜面下において、亀形石造物、小判形石造物が発見され、周辺の遺構(階段状石垣、石敷など)を含め丘稜一帯に広がる遺跡のことを酒船石遺跡と呼んでいます。酒船石は江戸時代から、酒などを製造する石造物として紹介されていましたが、1916年に飛鳥川沿いの水田から同様の大型の石造物が発見されたことによって、酒などの製造施設などでは無いことが分かります。その後、2000年の発掘で新たに見つかった2つの石造物と組み合わせて導水施設を造り出しているという説も示されましたが、現在では否定されています。
その他にも遺跡調査によって国内で見つかった遺物や遺構は数多く存在するのですが、遺跡が眠っているとされている土地でも試掘調査や発掘作業が行われていない場所もありますので、工事や研究などの目的で遺跡調査を依頼するのなら、【株式会社ひびき】にご相談ください。
費用や期限の制限がある調査も今までの経験や知識で徹底的にサポートして、必要な情報を収集することに努めます。